森山絵凪「モンテ・クリスト伯爵」感想①

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Amazonを彷徨っていたところ、スゴイ漫画(コミカライズ?)を見つけました。

白泉社の森山絵凪の漫画、「モンテ・クリスト伯爵」(全一巻)

原作は広く知られている、フランスの文豪、アレクサンドル・デュマの傑作ですが、

岩波文庫で7巻もある長編小説を漫画本1冊、12章に分けて、

きれいにまとめ上げてあります。スゴイ構成力です。

省略されているところは勿論省略されているのですが、

物語に欠かせない部分はきっちりと収められており、

最後の場面まで、一気に読むことができます。

勿論、原作を知らない人にも対応していると思います。

そして、絵が美麗です。

エキゾチックな伯爵とエデの表紙と口絵がすごくいいです。

この森山絵凪先生、絵が上手いです。読者を引き込む圧倒感があります。

表紙と口絵のカラーはコピックで着色されているそうです。

ずっと見てても飽きません。

そして、中身の描きこみのすごさも、表紙に負けていません。

時折表紙買いして、中身は大したことなかった、というマンガ本がありますが、

この「森山版モンテ・クリスト伯爵」は密度が濃いです。

絵も構成も。この一冊すべてが。





以下、内容に触れますので、ネタバレ注意!!!
↓↓↓↓↓





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冒頭は原作通り、
エドモン・ダンテスが波乱の航海の末、
マルセイユ港に帰ってくるところからはじまり、
翌日、許嫁メルセデスとの結婚式の時に、
官憲に問答無用に逮捕されシャトー・ディフに投獄されます。
その後、裁判にもかけられることなく何年も牢獄生活を送るダンテス。
自分が何の罪で投獄されているのかも分からないまま、
時は過ぎてゆき……
ある日の事、自分の牢屋の壁の向こうから、何かを削るような音を聞きます。
それが脱獄囚だと確信したダンテスは、
自分も音のする方角に穴を掘り続け……
そして、看守たちが「気が触れている」と噂する人物、
ファリア司祭」と出会ったのでした。

これが1話目の内容ですが、

ファリア司祭と出会う前までの孤独感や絶望など、

迫力のあるコマの連続で、

「いつか自分の無実が認められて釈放され、愛する者たちのもとに戻れる」

という希望が無くなっていき、絶望と死を夢想してゆく描写の迫力が、

スゴイです。



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第2話です。
ファリア司祭に出会ったダンテスが、自分が何故投獄されたのかを、
司祭に手伝ってもらいながら推察してゆきます。
結婚前の航海の最中、ダンテスは手紙を預かっておりました。
それが追放された皇帝ナポレオンの復権を望む者達への密書だったのです。
他人に見られたらマズイ他人の密書をお人よしにも預かっていたために、自分を妬む、
船の会計係のダングラール
恋敵のフェルナン
によって告発され、
更に密書のあて名書きが
担当検事ヴィルフォール
の父親であったために、
保身のために証拠品を燃やして口封じにダンテスを投獄した事が発覚。
ダンテスは許しがたい気分に襲われますが、
一介の船乗りでしかない自分には何もできないと悟り、
ファリア司祭に知識を授けてください、と願います。

幸福に育ったエドモン・ダンテスが、人を妬まない良い人になったために、

逆に人に妬まれている自覚がない、という可哀想、或いは無知な場面が、

ファリア司祭との会話ににじみ出ています。

ここからエドモン・ダンテスの怒涛の知識詰込み&脱獄の

監獄ライフが始まります。

あと、ファリア司祭のセリフに早速出てきました。

「待つこと、そして、希望を持つことだ……」

いつ聞いても希望にあふれた言葉ですねえ……(しみじみ)



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第3話です。
数年間の間、エドモン・ダンテスはファリア司祭から学問を学びつつ、
海に抜ける抜け穴を掘る作業を行いますが、
ある日の事、ファリア司祭が発作を起こし、司祭はダンテスに、
部屋に隠してある薬を飲ませるように指示します。
小康状態に戻ったファリア司祭は、ダンテスに、
自分の余命が長くないことを話し、
スパダ卿の隠し財産がモンテ・クリスト島に隠してあることを、
ダンテスに教えます。その額、約一千五百億円
そして、ついに最後の発作を起こして、ファリア司祭は亡くなってしまいます。
再び孤独になってしまったダンテスですが、
ここで諦めては14年間の牢獄暮らしが無駄になると考え、
脱走を決意。
ファリア司祭の遺体にすり替わって、イフ城を出ようとします。
が、イフ城での死者の埋葬は、遺体に重りを付けて、海に放り込む方法。
ダンテスは闇夜の海に放り込まれて行きました……。

ここで、この漫画の優れたところが光ります。

遺体袋の中で、ダンテスが脱出できるように、

手に、手製のナイフを持っているのです!

ちゃんと筋が通った描写に、スゴイと思いました!




第3話まで書きましたが、先が長いので、記事を分割します。

森山絵凪「モンテ・クリスト伯爵」感想②
森山絵凪「モンテ・クリスト伯爵」感想③
森山絵凪「モンテ・クリスト伯爵」感想④
森山絵凪「モンテ・クリスト伯爵」感想⑤
森山絵凪「モンテ・クリスト伯爵」感想⑥
森山絵凪「モンテ・クリスト伯爵」感想⑦


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コメント
お久し振りです。
私はこの作品、恐れ多くも新宿紀伊国屋書店書店で立ち読みしました。
一部試し読みではなく全部。
何故そんな事が可能だったのか、ですよね。
私のやっているスマホアプリFate Grand Orderの関連書籍コーナーにカバーなしの見本がありまして。アーサー王伝説、ケルト神話、シートン動物記、三国志、シェークスピアなど分野は多岐にわたってました。
魔術師が呼び出す英霊(サーヴァント)の中に岩窟王がいます。クラスはアヴェンジャー、属性悪。
やはり復讐は善とはならないんでしょう。
でも決定的な悪役ではなく主人公をたすけてもくれて、人気キャラです。

ちゃんと買って読み直そうかと思ってます。






by: 葵猫 * 2017/07/16 16:09 * URL [ 編集] | page top↑
Re: タイトルなし
葵猫さま、こんにちは!
拙ブログの記事を読んでいただきましてありがとうございます!
私はFATEには詳しくないのですが、女性のアーサー王が出てくるんですよね。
結構古典は好きなので、ハマるかもしれません。
FATEも関連書籍とかを探してみようかと思います。
でも、FATEシリーズは人気作だから、どれから読んだらよいのかしら……
ちょっと調べます。
巌窟王の属性は悪ですかw
確かに、復讐を世間が容認していたら、司法が機能していないことになりますものねw
それすら金の力でねじ伏せる作品ですから、其処が痛快で、原作小説はかなり熱中して読みました。
だから、近年うまくコミカライズされて、とても嬉しいです。
最近はブログに自分の独断と偏見で選んだ作品のレビューを書くことを日課にしています。
良かったらちょくちょく遊びに来てくださいね♪
by: 安曇@白無地堂 * 2017/07/16 19:49 * URL [ 編集] | page top↑
これが最初に見るに適しているかは疑問ですが、土曜日24時にBS11でアニメ「Fate Apocrypha」が放送中です。
女性アーサー王(アルトリア)は出てきません。彼女を殺害したモードレットがメインで活躍中。
アルトリアがでて来るStay Nightが最初のFateで、色々な作家がパラレルワールドを展開、エイプリルフールにネタで書かれた作品をも正伝に取り込んで十数年、どんどん広がってます。
男性アーサー王もパラレルに存在、宮本武蔵が女性の世界もあったり。
元はゲームですが小説、コミカライズもたくさんあります。

by: 葵猫 * 2017/07/18 12:17 * URL [ 編集] | page top↑
Re: タイトルなし
Stay Nightが最初のFateということは、其れから見るのが順当ですかね?
そのコミカライズでもあればいいのだけど。
Fateだけで調べると、収拾つきませんねw人気作過ぎて、アンソロジーとかも
山のようにヒットします。
巌窟王は何に出ていたのでしょうか?
やはりゲームが原作だから、本までには出てこないかな?
by: 安曇@白無地堂 * 2017/07/18 12:55 * URL [ 編集] | page top↑
StayNightはアニメもコミカライズもありますよ。
ゲームなので三つのルート=物語があり、無印StayNightとアンリミテッドブレードワークス(すみません、横文字で打つの面倒で)、ヘブンズフィールがあり、コミカライズは無印のみ、アニメは無印とアンリミテッド(凄いですよ、途中までかなり同じ場面ありで)、最後のヘブンズフィールが劇場アニメ化始動。
主人公は衛宮士郎という少年で、ヒロイン候補が3人、誰を選ぶかでルートがきまります(アルトリアは無印のヒロイン)岩窟王は今の所グランドオーダーのみですが、彼目当てなら今はお勧め出来ないかも。
初登場の監獄島イベントが期間限定で今はできないので。
あとグランドオーダームック「カルデアエース」の付録のCDドラマの主役です。
自分の復讐を開始する前に恩人ファリアの敵に復讐するオリジナルストーリー。
このムックもグランドオーダーやらない人には高額かもしれません。
Fate関連商品は全体的に強気の値段設定です。
売れる自信があるのでしょうね。
by: 葵猫 * 2017/07/18 14:57 * URL [ 編集] | page top↑
Re: タイトルなし
アニメの多分劇場版だろうけど、アンリミテッドブレードワークスらしき映画を先ほどようつべで見ました。結局、士郎=アーチャーってことなんでしょうか? 話がかなり端折ってあった感じで、よく分からなかったです。結局、聖杯って、何だったのかな?
とりあえず、7人のサーヴァントがマスターに従って戦う話ということは理解できました。「必殺技」(?)が古典満載でニヤリとしましたね。面白かったです。
サーヴァントの巌窟王は、「待て、しかして希望せよ」って言うのかな?
セイバーが可愛かったですね。うん、私的にはセイバーが好みかな。
by: 安曇@白無地堂 * 2017/07/18 15:38 * URL [ 編集] | page top↑
私も劇場版は見ましたが、絶対テレビ版の方がいいと思います。
ツークールかけて丁寧な展開ですし、最終回で聖杯戦争後の凛と士郎のエピソードがまたいいんですよ。
あ、私は凛が好きです。
聖杯を破壊する士郎に協力する「ご褒美が欲しかったわけじゃない」と言った凛がすきです。
セイバーも嫌いじゃありません、勿論。
食いしん坊キャラで、焼き芋に感動するなんて可愛いですよね(でも王様が焼き芋くらいで喜ぶ=ブリテン飯不味疑惑がささやかれました。まあ調味料もろくにないじだいですから。)
聖杯は万能の願望器だそうで何でも願いを叶えてくれますが、例えば大金が欲しい→金持ちを片っ端から殺して奪う式の叶えかたをする代物です。
アーチャーは士郎のあり得るかもしれない遠い未来=IF。
だから最後に凛に私(士郎)を頼むと言い残すんです。
FateはIFキャラが多くてエミヤは3人、アルトリアも何人かいます。
ランサーアルトリアは成熟した大人で胸も豊満だったり。
by: 葵猫 * 2017/07/18 20:55 * URL [ 編集] | page top↑
Re: タイトルなし
聖杯かけて殺し合いまでさせる話なのに、その聖杯が、あまりよくない物なんですね。何だか理不尽な話ですね。士郎や凛や英霊たちはそれを知っているんでしょうか?
by: 安曇@白無地堂 * 2017/07/19 07:09 * URL [ 編集] | page top↑
Fatet世界の魔術師の多くは魔術の源である「根源の渦」に到達したいと願い、どんな代償をもいとわないと考えてます。
凛はかなりまともですが魔術師の多くはは倫理観が普通の人間とは違うので聖杯の歪みも気にしないのでしょう。
士郎は元々前回の聖杯戦争の被害者ですし最初から聖杯に良い感情を持つわけもなく、戦争を止めるために参加、凛は父の遺志を継いだ参加で願いを叶えるためではなかった。
グランドオーダーで一人のサーヴァントが聖杯で願いを叶えました。
古代の偉大なる王で人間になって普通に生きたいという。
でも、結局平穏な時は短く世界を守る為に死にました。
聖杯で幸せにはなれないようですね。
by: 葵猫 * 2017/07/19 15:59 * URL [ 編集] | page top↑
Re: タイトルなし
> Fatet世界の魔術師の多くは魔術の源である「根源の渦」に到達したいと願い、どんな代償をもいとわないと考えてます。
> 凛はかなりまともですが魔術師の多くはは倫理観が普通の人間とは違うので聖杯の歪みも気にしないのでしょう。
> 士郎は元々前回の聖杯戦争の被害者ですし最初から聖杯に良い感情を持つわけもなく、戦争を止めるために参加、凛は父の遺志を継いだ参加で願いを叶えるためではなかった。
> グランドオーダーで一人のサーヴァントが聖杯で願いを叶えました。
> 古代の偉大なる王で人間になって普通に生きたいという。
> でも、結局平穏な時は短く世界を守る為に死にました。
> 聖杯で幸せにはなれないようですね。

なるほど、そういう事だったんですね!よく分かりました!



by: 安曇@白無地堂 * 2017/07/19 16:48 * URL [ 編集] | page top↑

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精神疾患持っています。極度の対人恐怖と不安障害、うつ病で、まともに人と接することができなくなりましたので、人とのつながりを求めてブログをはじめました。訪問足あとやコメントを残していただけたら嬉しいです。
両親の影響で1桁年齢より「銀河英雄伝説」にハマって今に至る、深刻なまでの銀英中毒者です。主に帝国より(軍務尚書や皇帝夫妻が大好き!)ですが、同盟側にも好きなキャラが多数存在します。また「アルスラーン戦記」中毒者でもあり、ナルサスとキシュワードがお気に入りです。
数年前に舞台観劇なども始めました。
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